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短編

第1章 五条悟


【嫌いなもの】※学生五条


「ねぇ、悟。私の嫌いなもの知ってる?」

放課後、ロロが何気なく尋ねると、五条は腕を組んで考えるふりをした。

「俺」

「惜しい」

「惜しいの?」

「半分正解」

「ひどくない?」

ロロは笑いを堪えながら言う。

「嫌いなのは、人の話を最後まで聞かない人」

「…あ」

「あと、自分が悪いのに謝らない人」

「…あー」

「それから、すぐ調子に乗る人」

五条は数秒黙ると、自分を指差した。

「全部、俺?」

「全部、悟」

「ショック」

そう言いながらも、まったく反省した様子はない。

「でもさ」

五条はロロの目を覗き込んで笑う。

「本当に俺が嫌いなら、こうして隣にいないでしょ?」

その言葉にロロは言い返せず、小さく舌打ちした。

「…そういう勘だけはいい」

「でしょ」

得意げな五条に、ロロは軽く肩を小突く。

「でも離れない」

「悔しいけどね」

五条は満足そうに笑う。

「じゃあ、安心」

「何が?」

「ロロの嫌いは、本気の嫌いじゃないってこと」

ロロはため息をつきながら歩き出す。

「ほんと、そういうところ」

「また嫌われた?」

「少しだけ」

「その少しなら、すぐ好きに変えられる」

自信満々に笑う五条を見て、ロロは呆れたように笑うしかなかった。
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