第6章 乙骨憂太
【師匠】
少し照れたように笑った乙骨は、ロロの真剣な表情を見て足を止めた。
「…弟子にしてください?」
ロロが深く頭を下げると、乙骨は慌てて手を振る。
「え、そんなに改まらなくても…」
「本気です。乙骨先輩みたいな呪術師になりたいんです」
しばらく考え込んだあと、乙骨は穏やかに微笑んだ。
「僕は誰かに教えるのが得意ってわけじゃない。でも、それでもいいなら」
ロロは勢いよく顔を上げる。
「じゃあ!」
「うん。今日から僕が君の師匠だ」
その言葉を聞いた瞬間、思わず笑みがこぼれた。乙骨は少し照れくさそうに後頭部をかきながら続ける。
「約束してほしいことが1つある。無茶はしないこと。強くなるのも大事だけど、生きて帰ることのほうがずっと大事だから」
「はい、師匠!」
元気よく返事をすると、乙骨はくすっと笑う。
「師匠って呼ばれると、まだ慣れないな」
2人で笑い合う。
「まずは基礎から始めよう。焦らなくていい。ロロが一人前になるまで、僕が責任を持って教えるよ」
その優しい約束に、ロロは力強くうなずいた。
「よろしくお願いします、師匠!」
「こちらこそ。これから一緒に頑張ろう」