• テキストサイズ

短編

第6章 乙骨憂太


【うなじ】


任務帰りの夜。

「…乙骨くん、どうしたの?」

ロロが振り返ると、乙骨は少し困ったように目を逸らした。

「いや…その…」

珍しく歯切れの悪い乙骨に、ロロは首を傾げる。

「顔、赤いけど」

「…ロロの髪」

「髪?」

風で揺れた髪が、普段隠れているうなじを少しだけ見せていた。乙骨は慌てて視線を外す。

「ごめん。変な意味じゃなくて、その、うなじが綺麗だなって思って」

「乙骨くんがそんなこと言うの珍しいね」

「僕だって、好きな人のことなら、ちゃんと褒めたいよ」

真っ直ぐな言葉に、ロロの方が照れてしまう。

「うなじ見ただけでそんな反応する?」

「するよ。だって、普段見えないところだから。なんか、特別に感じる」

乙骨は少し笑う。

「ロロのこと、全部大事にしたいって思ってるから」

その優しい声に、からかうつもりだったロロも黙ってしまう。

「…乙骨くんって、たまにずるい」

「え?」

「そんな顔で言われたら、何も言えない」

乙骨は照れながら笑った。

「じゃあこれからも、僕だけに見せてくれる?」

「…調子に乗らないで」

そう言いながらも、ロロは少しだけ乙骨の近くに寄る。乙骨は嬉しそうに目を細めた。
/ 189ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp