SW異銀河から落ちてきた言葉の通じない謎の親子を保護しました
第3章 居候の始まりとおかしな日常
「……う、動かないで!」
星子は、スマートフォンを武器のように突き出しながら叫んだ。
足元では、緑色の小さな生き物が星子のスカートの裾をちんまりと掴んでいる。
目の前では、銀色のヘルメットの大男が片膝をついたまま低く呻いていた。
ベスカー鋼のアーマーが擦れ合い、冷たい金属音が夜の静寂に響く。
男は警戒するように周囲を見回していたが、自分の胸元が空っぽなことに気づき、ハッとしたように顔を上げた。
「くぅ〜……?」
星子の足元から声が聞こえ、男のヘルメットがカチリと下を向く。
緑の子はスカートから手を離すと、ヨチヨチとしたおぼつかない足取りで大男の元へトコトコ戻っていった。
大男は大きな手でその小さな身体をそっとすくい上げ、胸元へ抱き寄せると、深く安堵したように肩の力を抜いた。
「……ッ、*%#&$……?」
ヘルメットの奥から響いたのは、金属のマスクにわずかに反響した、地を這うように低い男の声だった。
どこか掠れた渋い響きだが、その言葉は聞いたこともない奇妙な言語で、星子にはさっぱり聞き取れない。
「えっ……日本語わかります? あなた、一体どこから落ちてきたの?」
星子の問いかけに男は答えず、じっと星子のスマートフォンを見つめている。
男の右手が、無意識に腰の不気味な銃へと伸びかけた。
「ぶぶぶぶーっ!」
それを見た緑の子が、不満そうに声を上げて大男の腕を小さな手で叩いた。
まるで『その人は敵じゃないよ』と窘めるかのようだ。
大男は少し躊躇した後、銃から手を離し、ゆっくりと立ち上がった。
近くで見ると、その体躯は圧倒的だった。
チャコールグレーの分厚いインナーの上からでも分かる分厚い胸板が、凄まじい威圧感を放っている。
男は何かを独り言のように呟くと、よろりと足元をふらつかせた。
大爆発と時空の移動で、その身体は限界を迎えていたのだ。
「あ、危ないっ!」
星子は思わず駆け寄り、男の大きな身体を支えようとした。
だが、触れた瞬間、マント越しでも分かる鉄のような身体の硬さに息を呑む。
男は短く何かを呟くと、そのまま縁側にどさりと腰掛け、動かなくなってしまった。