SW異銀河から落ちてきた言葉の通じない謎の親子を保護しました
第4章 襲撃、それからタイムリミット
ディンはしばらく黙って星子を見つめていたが、やがて静かに鉛筆を置いた。
「……遠い、場所だ」
低い声が、夜の居間にぽつりと響く。
「空にある、星の、そのまた向こう。俺たちは、船で、星の海を旅していた」
ディンは覚えたての日本語を必死に手繰り寄せながら、ゆっくりと、ぽつりぽつりと話し始めた。
大きな飛行船、タトゥイーンという2つの太陽が浮かぶ砂漠、マンダロリアン、そしてマンダロリアン達が暮らすマンダロア。私には意味を理解する事が出来なかったけど、ディンは一生懸命に真面目な口ぶりで話してくれた。
「俺は、賞金…戦う仕事をしていた。だが、ある日、この子に出会った」
ディンはコタツの中で丸くなって眠るグローグーを、愛おしそうに見つめた。
「帝国…悪い奴らが、この子のフォース…力を欲しがっている。だから俺は、すべてを捨てて、この子を守るために戦っている。ずっと、戦い続けてきた」
大きな黒いフードの奥で、銀色のヘルメットが静かに揺れる。その語り口はどこまでも真剣だった。
(……ずいぶん、凝った設定…。ずっとコスプレもしてるし、重度のアニメオタクか、SF小説の主人公にでもなりきっているのかな)
星子はディンの話を一文字も疑うことなく、完璧に「彼の手の込んだ作り話(妄想)」だと思って聞いていた。
どんなに奇妙な設定だろうと、ディンが何よりもグローグーという小さな命を愛し、守ろうとしていることだけは、日々の生活を見ていれば痛いほど伝わってきたから、優しく話を合わせることにしたのだ。
「そっか。大変だったんだね。でも、ここならもう大丈夫だよ」
星子は優しく微笑み、ディンの手に自分の手を重ねた。
「ここには悪い宇宙人も、あなたたちを狙う兵士もいないから。私が保証する。だから、安心してここにいていいんだよ」
そう言って笑いかけた星子の言葉を、ディンはヘルメットの奥で、どんな気持ちで聞いていたのだろうか。
男はただ黙って、その重ねられた手をじっと見つめていた。
——そんな温かい過去の回想が、凄まじい爆音とともに、一瞬で現在へと引き戻される。