SW異銀河から落ちてきた言葉の通じない謎の親子を保護しました
第5章 別れ、そして銀河の彼方へ
「われらのみち」
ディンは低く掠れた声で、自分の故郷の誓いの言葉をぽつりと呟いた。
そして、地面にいたグローグーを大きな両手でそっと抱き上げると、しっかりと胸元に抱きかかえた。
グローグーはディンの腕の中から、星子に向かって小さな右手をすっと伸ばした。
そして、お別れを伝えるように、その小さな三本の指を一生懸命に動かして、ちっちゃな手でパタパタと優しく手を振ってくれた。
「うん。バイバイ、二人とも。元気でね」
星子が涙を拭って笑顔で見守る中、ディンは決然と前を向き、紫色の火花が激しく弾ける空間の歪みへと、迷いのない足取りで一歩を踏み出した。
バリバリバリッ!!!
強烈な静電気の爆音が洞窟内に響き渡り、眩い光が周囲を真っ白に染め上げた。
星子が思わず目を瞑り、再び恐る恐る目を開けたときには、耳を刺すような静寂だけが残されていた。
空間の歪みは完全に消え去り、そこには冷たい岩肌があるだけだった。
二人は、本当に行ってしまったのだ。
胸にぽっかりと穴が空いたような切ない寂しさを抱え、星子は夜道をトボトボと歩いて一軒家へと帰ってきた。
誰もいない、静まり返った居間。そこには、ディンが冬の寒風の中で一ヶ月間必死に働いて買い直してくれた、あの真新しい頑丈な木製のタンスとローテーブルが、変わらず静かに佇んでいた。
(……寂しいな)
そう思いながら、星子は部屋の棚へと視線を向けた。
そこには、自分が普段使っているスケッチブックや色鉛筆、クレヨンといった絵の道具と一緒に、数冊のノートを一冊に纏めた分厚い使い古されたノートがいつも通りぽつんと置かれていた。
ディンが夜のレッスンで、ひらがなや算数を一生懸命に勉強していた、あの学習用のノートだ。