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SW異銀河から落ちてきた言葉の通じない謎の親子を保護しました

第5章 別れ、そして銀河の彼方へ


夜の十一時。
出会ったあの日と同じ時間に、三人は静かに家を出た。
四月の終わりの夜風は、一年半前に二人を迎え入れたあの夏の生ぬるい空気とは違い、どこか名残惜しそうにひんやりと肌をかすめていく。

ディンは超特大の黒いパーカーを羽織り、腕の中には、すやすやと眠るグローグーをしっかりと抱っこしていた。

懐中電灯の明かりを頼りに裏山の斜面を登り、たどり着いたのは薄暗い洞窟の奥だった。
「……あそこだね」
星子が息を呑んだ。
洞窟の最奥では、空間が雑巾を絞るかのようにぐにゃりと歪み、パチパツと激しい紫色の火花を散らしていた。
タイムリミットを告げるその光は、ディンの銀色のヘルメットに怪しくも美しく反射している。
空間が完全に閉じるまで、もう数分も残されていない。

ディンの腕の中で、その光の眩しさに気づいたのか、グローグーが「ん〜……?」と目を覚ました。

ディンはゆっくりとグローグーを地面へと下ろした。
グローグーはペンギンのようにヨチヨチと歩き、星子の元へ近づくと、あの夏の日と同じように、ロングスカートの裾を小さな三本の指でちんまりと掴んだ。
大きな真ん丸の黒瞳をうるうると潤ませ、別れを察したのか、大きなお耳を悲しそうにきゅっと後ろに下げている。
「グローグー、元気でね。あっちに帰っても……ここで食べた美味しいもののこと、絶対に忘れないでね。怪我しないで、パパの言うことをよく聞いて、強い戦士になるんだよ」
星子がしゃがみ込み、涙をこらえながら優しくその小さな頭を撫でると、グローグーは寂しそうな顔をして、それでもコクンと頷くと、名残惜しそうにその温かい手のひらに小さなおでこをすり寄せた。

ディンは星子の前にすっと立つと、黒いフードの奥から、地を這うような低い声で、とても静かに、でも完璧な日本語で最後の言葉を紡いだ。
「星子。俺たちを、助けてくれて…本当にありがとう。この恩は一生忘れない」ディンはそう言うと、銀色のヘルメットを直角になるまで深く、深く下げた。

白い装甲の男達に襲撃された翌日、大工のおじいちゃんに頭を下げた時よりも、さらに長く、男の最大の敬意と感謝が込められた一礼だった。
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