SW異銀河から落ちてきた言葉の通じない謎の親子を保護しました
第3章 居候の始まりとおかしな日常
お参りを無事に終え、三人が神社の裏手にある、少し開けた高台へと歩いていくと、突然夜空が明るくなった。
ドン、と腹に響く地鳴りのような音とともに、冷たい新年の夜空に、鮮やかで巨大な大輪の光が弾けた。
新年の幕開けを祝う、冬の打ち上げ花火だ。
「わあ、綺麗……!」
星子が思わず息を呑んで見上げる中、ディンの腕の中にいるグローグーも、光り輝く夜空をじっと静かに見つめていた。
次々と赤や金色の光が闇を焦がし、その眩い光が、ディンの銀色のヘルメットの表面に美しく反射してきらきらと流れていく。
その時、ディンが黒いフードの奥で、ぽつりと地響きのような低い声を漏らした。
「……タトゥイーン(*%#&$……)」
もちろん日本語ではない。
何と言ったのかは星子には分からなかった。
けれど、その低く掠れた声の響きには、聞いたこともない遠い異国を懐かしむような、切なくて重い寂しさが不思議と混ざり合っているように聴こえた。
「あぅ……」
ディンの声を聞いたグローグーが、それまでピンと立っていた大きな耳を、きゅっと後ろの下の方へと寂しそうに垂れ下げた。
そして、小さな細い両手をきゅっと握りしめ、抱きしめてくれているディンの胸のアーマーに、そっとおでこを預けるようにして身を寄せたのだ。
(……そっか。この人たちにも、帰りたい大好きな故郷があるんだよね)
いつもどこか超然としていて、油断のないこの不思議な親子が、初めて見せた「寂しそうな背中」。
二人が背負う過去の重さと、言葉にできない絆の深さを、星子は冬の冷たい風の中で初めて肌で感じるのだった。
彼女はそっと二人の隣に寄り添い、優しく夜空の光を見つめ続けた。