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SW異銀河から落ちてきた言葉の通じない謎の親子を保護しました

第3章 居候の始まりとおかしな日常


そして迎えた一月一日、元日の夜。

星子は二人を連れて、緑川市にある少し大きめの神社へとやってきた。
境内へと続く参道には、ディンがタブレットで見せた動画の通り、赤提灯がずらりと並び、あたたかい湯気をあげる無数の屋台がひしめき合っている。
「すごい人だね。ディン、フードは絶対に脱がないでね。グローグー、迷子にならないように気をつけて」
白いアウターとブルーのデニムパンツ姿の星子が少し緊張しながら声をかけると、超特大の黒いパーカーを深く被ったディンは、無言で小さく頷いた。
その逞しい腕には、すでにグローグーがしっかりと抱っこされている。

冷たい冬の空気の中、屋台から漂ってくる香ばしいソースや揚げ物の匂いに、グローグーは早くも大興奮だった。
大きな真ん丸の黒瞳を輝かせ、お気に入りのたこ焼きの屋台を見つけると、短い両腕を懸命に伸ばして「ハッ、ハッ…!」と身を乗り出す。

「はいはい、たこ焼きね。ちょっと待ってて」
星子がパックに入った出来立てのたこ焼きを買い、少し冷ましてから差し出した。
グローグーは小さな三本の指であつあつのたこ焼きを掴み取ると、ふーふーと息を吹きかけることもせず、やっぱり一口でパクリと丸呑みにしてしまった。
「あ、危ないっ! 熱いよ!?」
星子が慌てて覗き込むと、グローグーは口をハフハフとさせながらも、あまりの美味しさに大きな耳をピンと横に立たせ、「きゅー!」と嬉しそうな歓声を上げた。
さらに「クルルルル」と喉を鳴らし、もっと欲しいとディンのパーカーの胸元を引っ張ってアピールしている。

黒いフードの奥のディンは、そんな相棒の様子をじっと見つめ、それから星子に向けて、ヘルメットを心なしか優しく傾けてみせた。
言葉はなくても、『ありがとう』と言っているのが不思議と伝わってくる。

人混みの中、やたらと体格の良いフードの男と、ベージュのローブを着た奇妙な子供の組み合わせは、すれ違う参拝客たちから「すごいコスプレだな」と何度も振り返られた。
星子は少し恥ずかしくて顔が熱くなったけれど、嬉しそうなたこ焼きの親子を見ていると、勇気を出して連れてきて良かったと心から思うのだった。
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