SW異銀河から落ちてきた言葉の通じない謎の親子を保護しました
第3章 居候の始まりとおかしな日常
山沿いにあるその公園は、夕暮れ時ということもあって完全に貸し切り状態だった。
星子が車を止めると、膝の上のグローグーは待ちきれないとばかりに「きゅー!」と声を上げ、短い手足をバタバタとさせた。
ディンが大きな手で車のドアを開けると、グローグーはペンギンのようにヨチヨチと真っ先に芝生の上へと飛び出していった。
ディンは超特大の黒いパーカーを揺らしながら、相棒のすぐ後ろを静かに、油断のない足取りでついていく。
日本の公園にあるカラフルな遊具は、二人にとって未知の物体だった。
グローグーは、二本の鎖で吊るされた一枚の板——ブランコの前に立ち、大きな真ん丸の黒瞳を輝かせながら「んぁ?」と不思議そうに首を傾げた。
それを見た星子は、先にブランコへ腰掛け、自分の膝の上を優しくポンポンと叩いてみせた。
「グローグー、おいで。一緒に乗ろう」
グローグーはピンと大きな耳を立たせ、「きゅ〜ぅ!」と嬉そうに歓声を上げた。
自分も乗りたいと、星子に向かって短い両手をめいっぱい上へと広げる。
星子はその小さな身体をそっと抱き上げ、自分の膝の上にちょこんと座らせてしっかりと抱きしめた。
星子が地面を足で軽く蹴り、優しく、本当に小さな幅でゆらゆらと揺れ始める。心地よい揺れと風を感じて、グローグーは「キャッキャッ、キャッ!」と無邪気な赤ちゃんの笑い声を響かせた。
大きなお耳が風にパタパタと揺れている。
ディンはそのすぐ近くに直立し、腕を組んだまま、ヘルメットの黒いバイザーをじっとこちらへと向けていた。
フードの影に隠れてその表情は全く見えない。
(……あ、笑ってるかも)
星子はふと、そう思った。
ヘルメットは冷たい金属のはずなのに、楽しそうに揺れる我が子を見つめるディンの佇まいからは、言葉にしなくても分かる、父親のとても優しい眼差しが確かに感じられたのだ。
たっぷり遊んで満足したのか、ブランコから下りると、グローグーは星子のロングスカートの裾をちんまりと掴んで「んゥ〜」と心地よい疲れからか眠そうに目を細めた。
「ふふ、いっぱい動いて眠くなっちゃったね。ディン、そろそろお家に帰ろうか」
星子が声をかけると、ディンは静かにヘルメットを縦に振った。