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SW異銀河から落ちてきた言葉の通じない謎の親子を保護しました

第3章 居候の始まりとおかしな日常


名前を知り合ってから数週間、ディンは凄まじい速度で日本語の単語を覚え始めていた。
星子が趣味で描くイラストに加え、テレビから流れるニュースやアニメの音声をじっと静かに聴いて、頭の中で結びつけているようだった。

そんなある週末の夕方、居間でグローグーが小さな3本指で玄関を指さしながら、熱心に「ぱぶっ、ぱぶー!」と声を上げ始めた。
外へ出たいと星子に向かって必死にアピールしている。
特大の黒いパーカーを羽織れば、ディンの上半身の鎧はすっぽりと隠れる。
夕暮れ時の人目が少ない時間帯なら、近所の小さな公園くらいは行けるかもしれない。

星子は車のキーを持ち上げ、外を指さした。
「ディン、グローグー。みんなで、車、行く?」
ディンは黒いフードの奥で小さくヘルメットを傾けた後、静かに頷いた。
グローグーは「きゅー!」と大喜びで短い手をバタバタとさせている。

星子の小さな軽自動車の助手席に、大きなディンが乗り込む。
超特大パーカーを着ているとはいえ、ベスカー鋼の厚みと大きなショルダーガードのせいで、シートはギシッと軋み、室内が一気に狭くなった。

ディンは大きな革手袋の手で、グローグーを優しくその膝の上に抱っこしている。ブォン、とエンジンがかかると、グローグーは「んぅ〜?」と目を丸くした。

車が滑るように走り出すと、窓の外を流れていく緑川市の景色に釘付けになる。
ディンが大きな手でそっと助手席の窓ガラスを少しだけ下げてやると、グローグーはそこからひょっこりと緑色の顔を出した。
「ぱうっ!」
夏の終わりの心地よい夕風を真正面から浴びて、グローグーは大きな耳をピンと後ろにたなびかせながら、大はしゃぎで歓声を上げている。
ディンはそんな相棒の様子をヘルメットの奥から静かに見守り、時折、窓の外を走る他の車や自動販売機の光を、戦士のような鋭い目線で油断なく観察していた。

言葉はなくても、助手席に座る親子から伝わってくるどこか楽しげな空気に、運転席の星子の心も自然と温かくなっていた。
車は人影のまばらな、山沿いの小さな公園へと滑り込んでいった。
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