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SW異銀河から落ちてきた言葉の通じない謎の親子を保護しました

第3章 居候の始まりとおかしな日常


超特大の黒いパーカーを手に入れてから、星子の日課がひとつ増えた。
仕事から帰宅した夜、居間のローテーブルに趣味のスケッチブックを広げ、大男に日本語を教えることだ。
星子が白紙のページに『りんご』の絵を描き、文字を添えて自分の口元を指さす。「りんご」
黒いフードを深く被った大男は、じっとその絵と文字を見つめていた。男は驚くほど知性が高く、星子が何をしようとしているのかをすぐに察したようだった。
ヘルメットの奥から、地響きのように低い声が漏れる。「……リ、ン、ゴ」
少し掠れた、ぎこちない発音。それでも初めて男が日本語を口にした瞬間、星子は嬉しくてパッと顔を輝かせた。
男はそんな彼女の反応を見て、ヘルメットを小さく傾けた。
絵を使えば、もっと多くのことが伝えられるかもしれない。そう気づいた星子は、スケッチブックの新しいページを開いた。
傷だらけの不審な外国人だと思っていたけれど、まずはちゃんとお互いを知りたかった。星子は自分の胸にそっと手を当て、はっきりと告げた。「星子」
男のヘルメットがカチリと動く。男はじっと星子を見つめた後、低い声で繰り返した。「……星子」
「そう、星子」笑顔で頷いた彼女は、今度はペンを持つ手で、目の前に座る大男の胸の銀色のアーマーを指さした。あなた自身の名前は何か、という問いかけのジェスチャーだった。大男はしばらくの間、じっと沈黙した。ヘルメットの黒いバイザーの奥で、何かを深く考えているようだった。やがて、男は静かに口を開いた。「……ディン。ディン・ジャリン」
「ディン……?」星子がその響きを繰り返すと、男は肯定するように小さくヘルメットを縦に振った。続いてディンは、隣でスケッチブックをペタペタと触っていた緑の子の頭に、大きな革手袋の手をそっと添えた。そして、その子を愛おしそうに見つめながら、はっきりとこう言ったのだ。「……ディン・グローグー」
「んぁ?」自分の名前を呼ばれたことに気づいたのか、その子は大きな耳をピンと立たせて、丸い黒瞳を輝かせた。
「グローグー。可愛い名前だね」
星子が優しく微笑むと、グローグーは嬉しそうに「きゆ〜」と喉を鳴らした。夜の静実な居間で、三人の間に初めて心が通った、とても温かい瞬間だった。
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