第1章 夏灯りの約束
――「すみません、星也君。五条さんも乙骨君も手が空かず……」
夏祭り当日――伊地知にそう言われると「嫌です」など言うことはできず、星也は自動車の中で考えていた。
祭りは夕方からだ。
任務場所自体はそれほど遠くない。
相手がどれだけの強さかまだ分からないが、力技で押し切って式神を走らせれば……どうにか間に合うか?
そうして受胎した特級と対峙し、星也は深く重く呼吸を吐き出す。
「悪いがこの後、大事な用事を控えているんだ――手早く済ませてもらう」
――【領域展開『星喰天蓋』】
瞬く星空が周囲を呑み込む中で、星也は呪具【天枢】を構えた。
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