• テキストサイズ

夏灯りの約束【呪術廻戦/夢幻泡影外伝】

第1章 夏灯りの約束



 ――日曜日。


 店の看板を見上げて津美紀が固まり、伏黒も目を丸くしていた。その様子に、星也は首を傾げる。

「どうしたんだ、二人とも?」

「星也さん? まさか浴衣って、生地から選ぶんですか? 市販のじゃ……」

「こっちの方が色々選べるだろう?」

 尋ねてみると、津美紀が青い顔をして冷や汗を流していた。

「いや、こんな上等なモンじゃなくていいですよ。祭りでしか着ないんですから」

 いつもより表情を険しくする伏黒の隣で、津美紀がコクコクと頷く。

 別に市販品が悪いわけではないし、伏黒の言い分も分かる。

 だが、せっかくなのだ。去年の穴埋めも兼ねて、今年は抜かりなくやりたい。

「費用は僕が持つから気にしなくていい。それに、姉さんと詞織は乗り気だよ」

 星也が指をさすと、すでに星良と詞織は店の店主と話をしていた。

「あの、費用の話をしてるんじゃなくて……いや、それも気になりますけど! ただでさえ生活の援助をしてもらってるのに……」

「浴衣五人分くらい大した出費じゃないよ。その辺りは恵なら分かるだろう?」

 どこまでも気を遣う津美紀だが、ここは折れる気はない。逆に伏黒へ話を振ると、彼も「それは、分かりますけど……」と返してくれる。

「話はまとまったね。じゃあ、そろそろ中に入ろうか」

 先を促すと、伏黒と津美紀は一度 顔を見合わせ、逡巡しながらもコクリと頷いた。

* * *

/ 16ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp