第1章 夏灯りの約束
「ところで、どう? 浴衣は」
「皆、よく似合ってる」
「星也さんも素敵です」
津美紀は白地に薬玉を描いた浴衣、星良は淡い紺色に蝶と牡丹の浴衣だ。そして、星也は白に近い淡い灰色の浴衣。
今日は非番だったこともあり、星良はいつになく念入りに準備をした。
自分だけでなく、詞織と津美紀の髪もセットし、メイクでめいいっぱい おしゃれをしたのだ。
ちらりと詞織と伏黒に目をやると、タイミングよく伏黒が詞織を見ている。
伏黒の濃い緑色に筋の入った浴衣、詞織の淡い紫色に夜桜を描いた浴衣。図らずも二人が互いに選んだものだ。
不意に詞織と伏黒の視線が合い、パッと伏黒が逸らす。
その様子に、星良は気づかれないよう星也の後ろで肩を震わせた。
ひとしきり笑い、星良は意識を切り替えるべく「コホン」と咳払いをする。
「さ、気を取り直して! しっかり遊び倒すわよ!」
星良は屋台に指先を突きつけ、高らかに宣言した。
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