第8章 接触
夕食を食べてからも、その日はずっと一人で考え込んでいた。
守護者が最初に接触してきた時は、ゼイランが来訪する前で「彼の言うことを聞くな」と言った。
そして今回も「彼からの加護を受け取るな」と止めにきた。
つまり、守護者はゼイランを妨害している。
だが同時に、彼が二人に良くしてくれていることについては、反対はせず受け入れている。
「……考えれば考えるほど、意味不明だわ……」
難しい顔で居間にへたり込んでいると、風呂上がりのルドガーが腰にタオルを巻いた姿でやって来た。
「あ、おかえりルドガー。気持ちよかった?」
「全然だ。なぜ今日は一緒に入らない?」
「ごめん、ちょっと頭が煮詰まってて」
膝をついた彼の納得いかない表情が、じっと近づく。
そんなまっすぐに澄んだ金の瞳を見ていると、いつも蘇る。
あの夜の庭園で求婚してくれた彼の瞳に、小さな自分が映っている光景が。
そしてそんな時には、どんなに頑なな心も、彼には開いていいような気がしてくるのだ。
「……ごめんルドガー。大変なことになっちゃったかもしれない……」
「なんだ? 全部俺に言え。すぐに解決してやる」
頼もしい彼の腹はもう決まっていて、あなたは感情がこみあげるのをこらえた。
「守護者がね、騎士団に来て初めて、今日また声をかけてきたの。それで加護の話になって……自分が授けるからゼイラン様のを断れって」
「……なんだと?」
彼は顔色を一変させ、黙り込んだ。
逆にその間が怖い。
これまでも守護者が応援してくれてるのは話していたが、今回はすべて洗いざらい教えた。
もし彼や皆に迷惑をかけてしまったら、取り返しがつかないと思ったからだ。