第7章 食堂にて
開けた道を歩いてくるのは、淡色のジャケットを着た背の高い男だった。
センター分けの銀髪が白肌に映える、彫りの深い美男子だ。耳には銀のピアスをつけ、口元に笑みを浮かべて向かってくる。
「あっ、ゼイラン様〜! お久しぶりです!」
あなたは場の空気も読まず、つい大きく手を振ってしまった。
皆はざわついたが、公爵ゼイランの反応に注目している。
「。公の場だぞ」
「あっごめん、どうしよう」
ルドガーに注意され我に返ると、ゼイランは怒ることなく、二人の席の椅子を引いてどさっと腰を下ろした。
「俺に手を振る女はお前ぐらいだよ」
「申し訳ございません!」
「いい、座れ。――おい、お前達は出ていけ」
従者もつけず、また一人で現れたゼイランは、後ろを振り返り騎士達に命じた。
すると規律の取れた動作で彼らは綺麗にいなくなった。
その挙動を見て、やばいことをしたとあなたは手に汗がにじむ。
「なんだ? 仲良くデートしてたのか。お前たちはほんとにお気楽だな、」
「はいっ」
「そう硬くなるな。お前の天真爛漫な持ち味が台無しだ。さあ好きなものを好きなだけ頼め。俺の奢りだぞ。この間は美味い飯を馳走になったからな」
彼は長い脚を組み、魔族何十人分ぐらいの存在感でにやりと笑った。
だがルドガーは姿勢よく腰掛けているものの、いつも通りである。
「ゼイラン様、ここは誰でも無料で食える」
「そうだったか? ハハハッ、さすが俺の騎士団だな!」
彼のよく通る高笑いが反響した。
なんだか今日は上機嫌で、底知れぬ活力を感じる。これが仕事モードなのか?
透き通った肌の美しい人なのに、黒いオーラは常に纏っているようだけれど。
ゼイランはウェイターにワインを頼み、あなた達二人も頂いた。