第7章 食堂にて
あのあと、二人は騎士団の本部棟にある食堂へやって来た。
紋章入りの団旗や剣盾が飾られる一方で、高級なテーブルクロスには可憐な花が置かれ、まるで洗練されたレストランだ。
「このおっきなシュークリーム美味しい〜チョコケーキも!」
「、クリームが口に大量についてるぞ。もっと落ち着いて食え」
「はは、ついかき込んじゃった。だってこんなチャンス中々ないんだもん〜」
隣のルドガーに指で拭われながら、あなたはとろける笑顔を向ける。
デートなのに色気のない台詞だったかな、そう浮かんだ反省を吹き飛ばすように、彼も楽しそうに笑っていた。
「お前を見てるだけで俺も嬉しいぞ。そんなに喜んでくれるなら、もっと連れてくればよかったな。悪い」
肩を抱き寄せて囁かれ、あなたはぽっと赤くなる。
食堂ホールは騎士達の熱気に満ち、にぎやかだ。
でもルドガーは二人の時間を大切にし、終始リラックスして甘やかなムードだった。
「いいよ全然。たまにでも嬉しいし。もっと特別感あるでしょう?」
「そうだな。今日は特別なデートだからな。お前の腰がキュッとしたワンピースも似合ってるぞ。可愛いな」
さらっと何を言い出すのかと思い、あなたは耳まで赤面していく。
「どうした? 」
「えっと……ありがとう。ルドガーも黒スーツとシャツ格好いいよ。ボディガードみたい」
そう言うと彼はホールに響く大きさの声で笑った。騎士達の短髪頭が思わず振り返るほどである。
「ひっ。見られちゃった、声大きいよルドガーっ」
「見せておけ。ふふ、お前のボディガードか。その仕事のほうが俺は好きだろうな。…気は休まらないかもしれないが」
そう言って、じっと穏やかな顔立ちで見つめてくる。
どうしちゃったのだろう。最近のルドガーは、小屋に居た時のように柔らかくなった。
その上、仕事モードのストイックさも混ざり、あなたをドキドキさせている。
「でも大丈夫だ。もうすぐ加護を授けられる。そうすればお前と自由にどこでも出かけよう」
「本当っ? でもその加護って、いったいどうやって――」
二人で親密に喋っていると、食堂内が急に静まり返った。また何かしただろうかと焦り見やる。
ルドガーが突然立ち上がり、背筋を伸ばした。
あなたも前方に目を凝らす。
すると騎士達が一斉に起立し、壁に背を向けて手を後ろに組んだ。
