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巨体の人外に助けられて世話される話

第6章 魔術師編


待ちに待った日曜日がやって来た。今日はルドガーも休みで、朝から一緒に過ごせる日だ。

「――それでね、この前小さい火が出せたんだよ、すごくないっ? ほら見てみて」
「おお、すごいな。フッ」
「ちょっと! なんで消すのよ!」

居間の床に座っていると、隣であぐらをかくルドガーが、息を吹きかけてしまった。

あなたが怒っていると、彼の楽しそうな笑い声が鳴り響く。

「すまん、魔術の火を見ると消したくなる習性でな」
「本当なのそれ。…でも魔術か〜、へへ。私も魔術師になっちゃったのかな?」

まだ誕生日ケーキに灯すほどの小さな炎だが、心もぽかぽかと温かくなる。

今のところ危険もなく、自分のペースで練習するあなたの様子は、ルドガーの心も穏やかに落ち着かせていた。

ミザロは重要な任務には欠かせない役職らしいが、普段は研究などして時間はあるようだ。

騎士達の訓練所とは別にあるホールで、彼は時折あなたの練習に付き合ってくれていた。

「よし、今日はお前が魔法使いになった祝いだな。食堂でよかったら、なにか甘いものでも食おう」
「本当っ? やったー!」

思わぬ誘いにはしゃぐ。食堂は騎士達のたまり場で、あなたはまだ勇気が出ず行ったことはなかった。

まさか騎士嫌いなはずのルドガーが一緒に行ってくれるとは。
まだ外出する際の加護とやらを得ておらず、領内からは中々出かけられないのだ。

彼の優しさと気持ちが嬉しくて、今日はお洒落をしようと張り切っていた。

そんな午後に、突然部屋のベルが鳴る。

「あれ? お客さんだ。誰だろう」

あなたが玄関に駆けていくと、扉の外には見知らぬ男が立っていた。

ひょろっとした30代後半ぐらいの大人だ。革ジャケットを着込み、長い茶髪に似合う無精ひげを手で擦っている。

「よお嬢ちゃん。ここがあんたらの部屋か? 例の獣はいるか」
「は、はい。いますけど」

彼は革靴のまま中に入ってきて、居間の真ん中まで進む。
立ち上がったルドガーを無視し、部屋の中をぐるりと見渡していた。
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