第5章 騎士団編
「――なんだい? ああ、君か。短期間でこんなに接触されるとは。しかも朝早くに」
「まだ寝ていたのか? もう出勤時間だろう」
「俺は幹部なんでね。重役出勤でいいのさ。……あ、おはよう。。昨日はよく眠れた?」
声音を柔らかくし、朝からキラキラ金髪がまぶしい寝間着の美男子に目配せされる。
あなたはドキっとしながらも、「はい」と手を軽く振った。
「ジュリス。お前に聞きたいことがある。俺たちの、昨日の交尾の音が聞こえたか?」
その衝撃的な台詞に、魔族の彼と人間のあなたは一瞬動きが止まった。
だがすぐに阿鼻叫喚のあなたの反応が割り込む。
「なっ、なっ、なっ、なに言い出すの、バカっっっ、恥ずかしいこと言わないで!!」
「どうなんだ、教えろ」
「いや……教えろって。たとえ聞こえてたとしても、言いにくくないか? レディの前で」
色男の騎士でさえも、腕を組み、困惑の青い瞳でルドガーを見ている。
「まあ答えは聞こえなかった、だが。正確には、俺は夜は出かけることが多いんだ、街にね。だからそういう物音は気にしなくていいよ」
とても恥ずかしい状況だが、大人な答えにあなたは真っ赤になり縮こまる。
「そうか。ならいい」
「……ルドガー……もう分かったでしょう。行くよ……。すみません、ジュリスさん。この人、獣なんです。羞恥心が薄いんです」
「うん、そうだろうね。――でもな、ルドガー。俺からひとつ助言をしておこう」
少し真剣な顔立ちで、彼は同僚をじっと見つめた。
「これは直感なんだけど。君、童貞だったんじゃないか? 女性を辱めたらいけないぞ。彼女の顔を見てみろ。恥ずかしさで真っ赤っ赤だ。俺にはとてもソソるが」
「何を言っている? 殺すぞ。 俺は気になったことを聞いただけだ。が気にしていたからな。それに、童貞で何が悪い」
ルドガーは表情を変えないが、威圧的に目力を強めている。
童貞だったことを知っているあなたは、ハラハラと二人の間を見守った。