第5章 騎士団編
翌日。カーテンからの木漏れ日に目覚めても、あなたはまだ夢の中にいるようだった。
「……体が重い……ルドガーのバカ。えっち」
ベッドの中から裸で横向きになり、仕事の制服に着替える彼を恨めしく見る。
たくましい褐色肌が白シャツに覆われても、昨夜の活力に満ちあふれたイメージがぬぐえない。
「疲れたか? 俺の魔力が入ったかな」
「……ばかっ」
「ははっ。お前の怒った顔も好きだ」
彼は戻って来て、シーツに片膝をのりあげる。あなたの髪をさらっと優しく払い、頬に音付きのキスをした。
なにやら機嫌がすこぶる良い。
あなたのことを心行くまで愛することができたためだ。
昨日は初めて「愛してる」と彼に告げたが、それが彼の心の中では大きな自信となり、幸せに輝いている。
少し照れくさく思いながらも、あなたはゆっくり起き上がった。
「待って。朝ごはん準備するよ」
「大丈夫だ、休んでいろ。もう用意した」
あなたが驚いてガウンを羽織り、キッチン近くのテーブルに向かうと、珈琲とサンドイッチが置いてあった。
感動で目が潤む。
「ありがとう~優しいルドガ~っ」
「ふっ。単純だな、お前は。では激しく抱いた次の日はいつもこうしよう」
「もうっそんなこと言ってないでしょ!」
くるくると表情の変わるあなたの存在は、この騎士団での二人の生活を明るく照らし続けていた。
「ねえ、結局魔力は増えた?」
「分からん。俺には差が見えないんだが……あとで聞いてみよう」
「えっ?」
隣に座るルドガーはあなたの頬を指で撫で、穏やかにそう言った。
二人で仲良く並んでごはんを食べたあと、ふとルドガーが席を立つ。
「もう行くの?」
「ああ。別のやることがある」
まだ制服の上着を椅子にかけたまま玄関から出ていくので、あなたは気になって後を追った。
するとなんと、廊下に出て、隣のジュリスのドアを叩いたのだ。
珍しい。なにか用でもあるのだろうか。