第5章 騎士団編
部屋に戻ってからは、ずっとルドガーの腕に抱えられ、キスをされていた。
二人がけのソファに彼の腰が深く沈み、あなたは揺りかごのように安らいでいる。
「はあ……っ……しちゃったね」
「そうだな……だがまだ足りない……」
いつもなら、誰かと接触したあなたを気にして、服を剥かれてしまってもおかしくないのだが。
今のルドガーは唇をくっつけることに没頭している様子だ。
ここに来てからピリっとしてるから、彼に熱く求められるのは嬉しかった。
大人しく享受していると、焼け付くような金色の瞳に覗きこまれる。
「奴と何を話したんだ…?」
「……ええとね……ルドガーのお話してたよ。髪の毛の色が抜けちゃったって」
「ああ、それか。あんなの自分のせいだろう。嫌味ったらしい奴だ」
任務のいざこざを思い出し、彼はむっと凛々しい黒眉を寄せた。あなたは反対に笑む。
「でもだめでしょう、周りにも気を遣わないと。まあ関係ない私に言われたくないかもしれないけど」
彼の短い黒髪をそっと撫でながら、愛しいゆえの心配を伝えようとする。
すると心地よさそうにするルドガーは、柔和な眼差しを向けてきた。
「関係なくはない。お前は俺の番なんだから。なんでも言え。…聞くかどうかは別だが」
「なにそれっ」
「戦闘は危険なんだ。魔術師はいつも俺の進行方向を妨げてくる。あいつらわざとやってるんじゃないか?」
苦々しい表情は、本当に彼らを疎ましく思っていそうだ。
そこであなたはさっきの話を思い出した。
「皆真剣なんだろうね。だって命がかかってるんだもん。でもルドガー、さっきミザロさんに面白いこと教えてもらったんだ」
彼に抱きかかえられた状態で胸のシャツを引っ張り、あなたは瞳を輝かせる。
早くこの大ニュースを伝えたかった。