• テキストサイズ

巨体の人外に助けられて世話される話

第5章 騎士団編


「あ、この間はお世話になりました! あの…ミザロさんの、雰囲気が少し変わったような気がして……すぐに分からなかったのかもしれません、ははは」

頭に手をやって謝ると、彼はじっとりとした薄笑みで佇んでいる。

顔立ちは綺麗だが、なんだか怖い。
それに、フードから覗く髪の毛が真っ白だ。この間は黒く見えたが。

「この髪の毛、本当は黒いんです。でも先日の任務で――ルドガーと一緒だったんですが、私が敵に呪いをかけていたら、彼が突進して割り込んできましてね。それで敵に呪詛返しを食らい、この瞳も髪も、色が抜けてしまったんですよ」
「……えっ!? ほ、本当なんですかそれ。やばいじゃないですか」

強烈な話に慄くと、彼は「ご心配なく。魔力が溜まれば元通りになるので」と目を細めた。

何気にルドガーへの不満を漏らされた気もするが、あなたは気まずく思いつつも、せっかくなので彼を広場のベンチに誘った。

お互い時間がありそうに思えたのだ。
ミザロはふと素になった顔つきで「喜んで」とほほ笑んだ。

「ルドガーのこと、すみませんでした。彼ってちょっと猪突猛進なところがあるのかも。普段はとても優しい人なんですけど」
「そうですか。彼がここに来てもう三年になりますが、優しい顔は見たことがありませんね。とくに私に対しては」

丁寧に告げられ、あなたは申し訳なさがつのる。

ルドガーの過去は知らないけれど、今は自分も彼のそばに属しているという自覚があった。

するといつの間にか、ミザロの透き通った瞳が隣から見つめていた。

「さん。あなたはこの騎士団において、稀にみる常識人のようです」
「え。そんなことは。普通ですよ」
「謙遜しないでください。人間とはいえ、魔力もまあまああるようですし」

その何気ない一言に、あなたは驚き前のめりになった。

「魔力? 私に? 本当ですか!?」
「すごい食いつきようですね。本当ですよ。私はその道のプロですから」
「じゃ、じゃあ、私もいつか転移魔法使えるようになりますかね」

至近距離で問うと、彼は表情を変えず、首をひねった。
/ 167ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp