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巨体の人外に助けられて世話される話

第4章 新たな始まり編


それから二人で通りに立ち並ぶ飲食店へ向かった。いい匂いがする店先に並び、食べ物を購入する。

そのあとは噴水のベンチに座って、甘辛いクレープを食べた。

「ああ、楽しい……美味しいよお……」
「ははっ、よかった」

彼の笑い声に安心する。
魔界の空は薄紫色だけど、隣にルドガーがいてくれるだけで心強く、温かい。

「ねえ、さっきね。奴隷に間違えられちゃったよ。人間って、そうなの?」

あなたはどう考えても暗い話題を、軽く聞こえるように尋ねて振り向く。
だが彼は、とくに表情を変えずに「お前は奴隷じゃない」とはっきり告げた。

彼も二十年生きてきて、戦闘種族としてゼイランに拾われたときから、この世界の理は身をもって知っているのだろう。

「でも、求婚のときに身分は気にしないって言ってくれたけど、本当に大丈夫かな? 私はあなたの足かせにならない?」

気になって問いかけると、彼の答えはとうに決まっているようだった。

「足かせ? お前は俺を自由にしてくれたんだ、心も、この肉体も。獣は獣で、人間は人間だ。お前は誇り高い女だと、俺は知っている。」

シンプルな彼らしい言葉に、胸をぐさっと打たれた。
どんな慰めや励ましよりも、ルドガーの気持ちがまっすぐ伝わる。

「ありがとう……。そうだよね、あなたはあなただし、私は私でしかないよね」
「ああ。変わる必要もなければ、考える必要もない。何かを言ってくる奴など、無視すればいい。お前は俺が守る。それだけだ」

あなたは瞳がうるっと来て、こそこそと隣に距離を詰めた。

最近、心が動かされることが多い。
環境が変わっていき、気持ちも忙しくなるかもしれないけれど。

「私達なら平気だよね、絶対」
「そうだぞ。何も心配することはない。いつも一緒だ」

彼の手のひらが、あなたのローブに隠された手の場所をずっと分かっているみたいに、力強く握ってくる。

二人は微笑み合い、つかの間の温もりに心まで預けていた。
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