第4章 新たな始まり編
彼が気になったが、店内に入ったあなたは華美な装飾と夢のような空間に心酔した。
店員の女性に採寸から試着まで世話になり、気に入った数点の下着を購入することが出来た。
「ありがとうございます、全部可愛かったぁ。迷っちゃいますね」
「そうでしょう。またいつでもいらっしゃい。それにしても、あなたの主人は怖そうだけど、大事にしてくれそうね」
「……はっ?」
「奴隷なんでしょう? 人間だものね。大変なこともあるかもしれないけど、私は応援してるわよ。ずっと昔、うちにも人間の奴隷がいたの。家族みたいに仲よかったんだから」
「……あ、そうですか……素敵なお話ですね……」
あなたは最後にすーっと肝が冷やされたが、なんとかお店を微笑みで後にした。
「、ちゃんと買い物出来たか? あの女に何かされなかったか」
「すごく優しかったよ、可愛い下着買えちゃった。全部ありがとうね、ルドガー」
あなたは道端で待つ彼に、思いのままに黒ローブごと抱きついた。
引きはがされるかと思ったが、彼は広い腕でがっちりと受け止めてくれた。
こうされると、本当に安心が戻ってくる。
「よかったな。俺も嬉しいぞ」
喜ぶあなたを見て、彼はこの日初めてふっと優しい微笑みを見せてくれた。
「やっと笑ってくれたね」
「……え? すまない。今日は気が張り詰めていた。仕事の護衛の時よりな」
「仕事のとき、あんなにしかめっ面なの?」
あなたが尋ねると、彼は答えにくい様子だ。
仕事場での彼の様子が、どんどん気になってくる。
「無事に買い物が済んで少しはリラックスした?」
「ああ、したぞ。それもだが、お前の喜ぶ姿に和んだ」
胸の下にある頭を撫で、彼の口元が上がっている。
「何か食うか? 腹が減っただろう」
「いいのっ?」
「買い食いでよければ」
妙に人間らしい誘うような笑みで、あなたはドキっとする。