第4章 新たな始まり編
「いいや。の言う通りだ。俺が長くここに閉じ込めてるせいで、心細くさせてしまった。だから早く普通の場所に住まわせてやりたい。頼む、ゼイラン様。俺達が平和に暮らすのを許してくれ。そうすればももっと元気がでるはずだ」
ルドガーは半分本心で、半分自分をかばってくれていると感じた。
あなたが彼を見つめていると、振り向いて頷かれ、手をギュッと離さないように握られる。
「はあ……お前は……まったく無知な獣が。騙されても知らんぞ」
「俺はを信じている。この愛は揺るがないんだ」
そうはっきりと返すルドガーに対し、あなたは複雑な思いを抱えていた。
あの声がするまでは、自分も心の底から純粋に喜んでいた。
今も気持ちは変わらないけれど、記憶に秘密があるとしたら――彼のことを悲しませてしまうのだろうか。
「まあいい。今日のところはお開きにしよう。俺は結局甘い主だからな。お前達をいびるのはこれくらいにしといてやるよ。場所もこんなところに隠れてないで、騎士団内に住め」
「えっ、騎士団?」
「そうだ。こいつは寮住まいなんだぞ、知らなかったか?」
呆れるように問われ困惑する。
ルドガーは頭をかいて気まずそうにしていたが、自分もまだ知らないことが多いようだと悟る。
その後、ゼイランは本当にあっさりその場を去った。
二人残されて、今のところはカミナリを落とされなかったものの、これからどうなるのだろうか?
「でもルドガー、ひとまずは大丈夫そうだよね? よかったね、すごい怒られずにすんで」
「……。風呂に入るぞ」
「え? あ、そっか。仕事終わりでまだ制服のままだもんね。じゃあその間にご飯を――」
「お前も一緒に入るんだ」
彼に問答無用に抱きかかえられ、あなたは慌てて両肩に掴まる。
「ちょっ、どうしたのっ?」
「匂いがする。ゼイラン様の香りは強すぎる。お前から今すぐに取りたいんだ」
彼はもうそれしか考えられないように、本能的にあなたをがっちりと横抱きにし、風呂場へと突き進んでいった。