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巨体の人外に助けられて世話される話

第4章 新たな始まり編


あなたは褒められて愛想よく会釈したが、振り返ったルドガーの瞳は最大限に揺れていた。

「のメシ……? 何を作ったんだ?」
「ルドガーの好物のシチューだよ。でもゼイラン様が全部食べちゃって。ごめんね、すぐに何か作るから」
「いや、いい……。お前は休め。……全部食べたのか、ゼイラン様……」

恨めしそうに見下されても、主人はソファに偉そうに足を開いて座ったまま、にやにやしている。

「なんだその顔は。悔しいか? お前、戦場での顔つきとまるで違うじゃないか。すっかり所帯じみたようだ。その女と夫婦気取りか」

嘲るような台詞も、主人にとってはただのからかいだ。
しかし落ち着かないルドガーは、あなたを自身の背に隠したまま、胸を張って顔を上げた。

「気取りじゃない。もう夫婦なんだ」
「ほう? 俺の許しなしにそんなことが可能だと? おい、眠気覚ましの茶を入れろ。甘ったるい空気にまた眠くなってしまったよ」
「……あっはい、ただいま」

あなたはつい先程までの癖で動こうとした。何気に初めて名前で呼ばれたことも、認識されているのだと思い前進を感じた。

しかし、細い手首をぱしっと取られる。
ルドガーの力強い大きな手に。

「どうして言うことを聞くんだ? お前は使用人じゃない」
「えっ……でも、ルドガーの上司で主人でしょう? おもてなししないとと思って」

するとルドガーは、あなたに向き直り、優しく頭を触った。

「なら俺がやる。お前は十分やってくれた」
「ルドガー……。優しい……」

あなたが思わずうるっとした瞳で見上げると、彼の表情からトゲが抜けたように優しくなる。

そういえばハグもまだだったと思い、彼を間近にして緊張が緩むと、あなたはその背に手を回した。

「……そういえばまだキスもしてなかったな。ただいま」
「おかえり、ルドガー」

二人の世界で見つめ合い、大きな背を屈められてちゅっとキスをされた。

照れ合う二人の後ろで、白けた男の視線が注がれている。
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