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巨体の人外に助けられて世話される話

第4章 新たな始まり編


「はい、どうぞ。ルドガーの好物です」
「よく知ってるな。あいつの好きな頬肉の煮込みだ。……へえ、料理の腕はあるみたいだな」

なぜ彼の主人にこんな事をしてるのか分からないが、温かみのある素朴な木の小屋で、あなたは一生懸命尽くしていた。

魔族の食欲も破格らしく、彼はすごい早さでシチューの大鍋を空にした。

すっかりコートも脱ぎシャツもはだけた状態でくつろぎ出したゼイランは、大きなあくびをする。

「俺は少し眠る。久々の休みだ。女、起こすなよ」
「は、はあ…」

そう言ってまっすぐソファで寝そべり、腹で手を組んで行儀よく瞳を閉じてしまった。

あなたは恐る恐るブランケットをかけ、少し離れた暖炉前の椅子に座る。

「何しに来たんだろう、この人……すやすや寝てるし」

彼はただ無防備なわけではなく、こちらが何かしようとしても何の脅威にもならないのだろうと思った。

ゼイランは想像とまったく違う人だ。
忙しい主人だと聞いたが、ルドガーをペットと称するものの、こうして一日を費やすのは大事に思っている証拠なのかもしれない。



あなたがルドガーの帰りを待ってうたた寝していると、夜遅くに彼が帰宅した。

小屋の重い鍵が開き、任務用の制服姿で現れる。

だが彼は室内の様子に、瞳を見開き愕然としていた。

「なっ……ゼイラン様、ここで何をしているんだ!?」

素っ頓狂な声を出し、すぐにルドガーは寝ぼけ眼のあなたのそばに来た。

ゆっくり目を開けると、彼の覆うような背中が目の前にある。

「起きろ、ゼイラン様!」
「……あぁ? 俺は寝起きが悪いんだよ……」

不快そうに起き上がった主人の前で、ルドガーは床に跪く。
一応礼儀は忘れてないらしい。

「任務は無事に終えた。あなたに報告しようと思ったら、もう帰ったと言われて……ここに居たのか」
「そうだ。お前の女にメシを作ってもらったぞ。ふふふ、中々美味かった」

にやりと思わせぶりに銀色の瞳に捕らえられる。
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