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巨体の人外に助けられて世話される話

第3章 庭園にて


「可愛いだと⋯? そんなことは誰にも言われたことがないぞ。俺は一応、獣化した姿は皆から恐れられているんだ」
「そうなの? やっぱり強いんだもんね。でも全然怖くないよ、変身したとこ間近に見たのもあるかもしれないけど」

彼の金色の瞳をじっと覗きこむ。当たり前だが人間の時よりもっと大きくて、黒いまつ毛もバサバサ長い。

瞳孔は猫のような形だが、一瞬で魅せられるほど美しく吸い込まれそうだった。

「ねえ座ってみて。一緒に寝転びたいな」
「あ、ああ⋯⋯」

戸惑いながらも、獣から聞こえてきたいつもと同じ声に嬉しくなる。
あなたは脚を曲げて寝そべる彼の毛並みを背にし、夜空を見上げた。

「⋯⋯ねえルドガー。あなたはずっと、一人だったの?」
「そうだ⋯⋯軍人で、戦闘種族だからな。戦うことが生業だ」
「そっか⋯⋯。それで番を探してたの⋯?」

彼は黙った。だがやがて「そういうわけじゃない」と明かした。
獣ではあるが、なんとなく一人でいるのだろうと思って生きてきて、種族的にも他とつるまない性質をもつのが当たり前だったのだそうだ。

「本当に私でいいの? 私は異種族だよ」
「いいんだ。俺はお前がいい。種族も出自も関係ない」

あなたは感情がこみ上げてきて目をぎゅっとつむる。
寝返りを打って彼の顔を撫で上げた。
獣の彼でも愛せるんじゃないかという気持ちが、確かに生まれていく。

「私もあなたのことが好き。素のままのルドガーが好きだよ。これから大変かもしれないけど、一緒にいてね」

そうお願いすると、彼は心と連動するように瞳を揺らし、頷く。
割れた赤い舌で、あなたの頬をぺろりと撫でてきた。

「ひゃあっ」
「悪い。嬉しくて我慢出来なかった。⋯⋯俺達はずっと一緒だぞ。俺はもうお前のものだから、好きにするといい。お前への愛をこの胸に誓おう、」

獣の姿でも深い愛情を見せてくれたルドガーは、あなたを慈しむ瞳でずっと見つめていた。
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