• テキストサイズ

巨体の人外に助けられて世話される話

第26章 彼女を知る者


古城へ帰ると、ネメニアはあなたを誰も使っていない部屋へ連れていった。
黒い天蓋の中のベッドに、そっと寝かせる。

そしてふと思った。

「私はなぜこんなことを……」

しばらく眺めていたが、暖炉に火を入れ、椅子に座った。
物思いに耽っていると、廊下の足音が部屋の前で止まった。

扉が静かに開く。

黒いレースの服をまとった、紫髪の女が立っていた。

「閣下。こちらにいらっしゃったのですね。……んっ? その女性はいったい……」

ゆるやかな髪を揺らし、驚いた表情で近づいてくる。
彼女もまた同じ吸血族で、魔術に長ける者だ。

「デシエ。この子に合った服を着せろ。しばらく世話を頼む」
「ええ。かしこまりました。……人間界からお連れになったのですか?」

顔に汚れがついたまま眠っている少女を、注意深く眺めた。

主人は「そうだ」としか言わなかったが、側近のデシエにはそれで充分であった。
/ 422ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp