第26章 彼女を知る者
あなたは夜空に浮かぶ月と、月明かりに照らされた群雲の美しさを満喫した。
そして一瞬、冷たい顔になる。
「よし、やろう」
そう言って準備をする。
割烹着に着替え、手袋をし、目だけが出る状態で家畜小屋とは別の小屋に現れた。
愛情をかけながらも、他の家畜とは離して、しばらく一匹だけにして育てた動物が寝ている。
それを、あなたは一人で手にかけた。
「……っ」
すべてを受け止め、その行為を行う。
言葉をかけることもせず、自分と子供たちが生きていくための行いを、済ませる。
もちろん辛かった。
最初の頃は、間違っているとも苦悩した。
でも、それが生きるということなのだと、あなたはいつしか自分自身で学んでいた。