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巨体の人外に助けられて世話される話

第26章 彼女を知る者


ネメニア・ヴェルガロンは齢1500歳を超える吸血族の女性だ。
始祖の血を引く最後の者で、ヴェルガロン公爵家の当主を務めたこともあった。

今は隠居した身であり、静かに過ごしている。

彼女はときおり、人間がいる地上へと降りた。

澄んだ空気は健康によくないが、自身の長命を嫌い、わざと毒を食らうような思いもあった。

もっとも、強靭な肉体と圧倒的な強さの前では、あまり意味のないことだったが。

「……あの娘、今日も熱心に動物の世話をしているな」

ここしばらく彼女は廃墟の村で、一人の人間を眺めていた。

5人の子供たちと生活する、過去のあなただ。

焼け跡のついた小屋には家畜がいて、一生懸命話しかけながら笑顔で育てている。

そんなとき、外から子どもが数人やってきた。

「ー! お勉強の時間だよー!」
「……あっ本当だ、もうそんな時間! 待って今行くから、準備しといてねー」
「「うん!」」

小さい子らが元気よく返事し、あなたも汗を拭いて微笑み立ち上がる。

動物を見て少しせつなげな表情に変わったが、意識をすっと戻し、子供たちのもとへ向かった。

その後は子供に勉強を教えて、夕食の準備をする。
ところどころ壊れた家の外には、耕した家庭菜園があった。

種類も数も多くはないが、そこから日々の分を採って、暮らしに活用している。

「いただきまーす! 今日もご飯が美味しいな~」
「本当? よかったぁ。皆で育てたお野菜のおかげだね」

木の食卓を子供たちと囲み、笑顔を絶やさずお喋りした。

片付けのあとは、皆を広い部屋のベッドにそれぞれ寝かしつけた。

それから掃除をしたり、裁縫をしたり、動物を見に行ったりする。

「はー。今日も星が綺麗だなぁ。……空って、広いなあ。私達って、小さい存在だなぁ」

柔らかい夜風に吹かれながら、外のベンチに座り、お茶を飲んで呟く。

台詞はもの侘しくても、あなたの心は寂しくはなかった。充実もしていた。
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