第26章 彼女を知る者
その背の高さにびっくりする。
ルドガーやゼイランほどではないが、見上げるほどの抜群のスタイルだ。
「ひえ~っどこが化け物なんですか? ひどいですよセロさんてば。⋯⋯綺麗だし、思ったより優しそう! いい匂いもする〜」
あなたが彼女のまわりではしゃいでると、守護者は呆れた顔をした。
「お前⋯⋯厳格な雰囲気をぶち壊しているぞ。⋯⋯感動の再会だ、抱擁ぐらいしないか」
彼女は厳しい台詞のわりに、あなたに手を広げ、懐に招いてくれた。
いいのかと一瞬緊張したが、遠慮なくハグをする。
体温は高くないけれど、不思議と心の中が安らぎ、温もりが広がっていった。
そして振り向いて、立ったまま所在のなさそうなルドガーを呼んだ。
「ルドガー、見てみて! 守護者さま、全然怖くないよ! あなたもこっち来てよ!」
「⋯⋯あ、ああ⋯⋯」
近くに来たら、やはり彼のほうが全然大きかった。
ルドガーの目つきはまだ疑わしいが、あなたを間にすると、空気が崩れるから不思議だ。
「⋯⋯お前の警戒心のなさが、俺は心配になる。⋯⋯この女が、怖くないのか? 相当強い奴だ」
そして彼は続けて、彼女があの戦っていた金髪オールバックを従えさせていたことを告げた。
「ど、どういうことですか守護者さま。だってあの人、ルドガーがいた施設の人なんじゃないんですか?」
予想をぶつけると、彼女は認めた。
ますます分からない。
そこでさっきルドガーが聞いたという話を教えられる。
「ヴェルガロン公爵家⋯⋯師匠が言ってた⋯口にするのも恐ろしいという、格上の存在、ですよね⋯? あなたがほんとにそんな家の偉い人なんですか」
守護者はあっさりと頷いた。
そして彼女にとっては、特別に誇ることでもなく、興味のなさそうな事柄のようだ。
「守護者。さっきあんたは、と再会したって言ったな。⋯⋯やっぱり、あんたがこいつを人間界から連れてきたのか?」
核心に対し、あなたも喉を1回飲み込む。
「そうだ⋯⋯私がお前を魔界に連れてきた。⋯⋯さあ、昔話をしようじゃないか。⋯⋯といっても、私にとっては、つい最近のことだがな」
守護者は懐かしげに笑み、若き二人に対して語り始めるつもりだった。