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巨体の人外に助けられて世話される話

第26章 彼女を知る者


転移した先は、闇夜に浮かぶ古城だった。

ルドガーが慎重に瞳を開けると、女の子らしい広い部屋にいた。

開け放った窓に、薄ピンク色のカーテンがなびいている。
中央には黒い天蓋つきのベッドがあり、守護者はそこにあなたを寝かせた。

ルドガーは負傷した体であなたを見下ろし、頬を指でなぞる。
顔つきは焦燥と不安に支配されていた。

「服を着ろ」

守護者の女は彼に男物の服を投げる。
自らは冷たい暖炉に向かい、息を吹きかけるように火を灯した。

それから近くの椅子にゆったりと座り、ルドガーが座るまで見ている。

ルドガーは険しい眼差しを外さないまま従った。

すると部屋の外から、男の従者が入って来た。
森で会った金髪オールバックと同じ、銀の刺繍入りの黒いローブをまとっている。

「やめろ…ッ」
「手当をさせろ。のためだ」

その名を出されると、悔しくても受け入れるしかなかった。

黒ドレスの守護者は長い脚を組み、冷気をまとう表情で佇んでいる。
その赤い瞳と心を感じない気配から、さっきの男と同族だと推測できた。

治療が済み、従者が退席する。
ルドガーはじりじりと距離を保ち、口を開いた。

「あの男はなんだ。どうしてお前にひれ伏した」
「……ああ。あいつはヴェルガロン家、現当主の側近だ。お前達を侵入者だと思ったのだろう」

ルドガーは激しく睨みつける。

「……それだけじゃない、俺を知ってるような素振りで、試すように獣と戦わせた……あいつは施設の関係者じゃないのか」
「そうさ。名はダーリス。お前がいた保護育成施設の管理者だ」

憎しみの感情が、淡々とした女にぶつけられる。

「お前の正体はなんだ。をどうするつもりだ……ッ」

女の瞳が一瞬伏せられ、そのまま天蓋の奥へと向けられた。
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