第25章 魔術師と護衛編
「そういえば、君自身の話は、いつ教えてくれるんだい?」
「ええと、また今度ということで。何かありましたら、ルラ・パルセ魔術師団のほうにご依頼くださいね。ディスター様」
きっちりと答えると、彼はくすくすと楽しそうに笑った。
そして後方にルドガーが直立不動でいるのを見やり、こっそりあなたの耳元に囁く。
「あの護衛の彼。絶対に君のことが好きだよ。気をつけるといい」
それだけ告げて、意味深に口元を上げられたが、そんなことは知っているとあなたは苦笑した。
二人で公爵に会釈し、馬に乗って邸宅を去る。
走り出していくと、後ろにはまた大きなルドガーの上半身を感じて、「はああ~」とあなたは安心の声で寄りかかった。
二人きりになり、ルドガーは自然に囲まれ、馬を引いて歩く。
そんな彼にあなたは手を繋がれ、ぴたっと寄り添って離れなかった。
散歩して回ると、紫色の空に照らされた、のどかで綺麗な森の中だ。
「ねえねえ、キスしようよ、ルドガ~」
甘い声を出して誘ったら彼は立ち止まり、あなたを抱き上げる。
そして片腕で抱え、唇を重ねてくれた。
「⋯もっとがいいな。ねえ少し休もう?」
「ああ……そうしよう、」
彼も仕事モードを一旦解除し、瞳を細めた。
二人は静かな水辺を見つけた。
周辺の安全を確認すると、木のそばで馬を休ませて、自分達も座る。
あなたはルドガーの内側にまた腰を下ろし、抱えられるようにした。
口づけを何度か交わし、この数日間の寂しさを埋めていった。
「ふふっ。ルドガーの敬語、もう聞けないのかな」
「聞かなくていい。あれは疲れるんだ」
肩をすくめて彼が話し、あなたは笑った。
「だが、お疲れ様だな、。うまくいってよかった」
「うん。本当だね。……なんだか、信じられないね。最初の小屋を出て、まだ半年ほどなのに。私達の状況、変わったよねえ」
ふと呟くと、彼は少し考えた様子で「ああ」と頷いた。