第25章 魔術師と護衛編
「とにかく、他の使用人にも明日聞いてみよう。移りたかったら別室に移動するといい」
「そうしましょう」
二人に促されるが、あなたは首を横に振った。
ルドガーの眉根がぐっと寄せられる。
しかし、怖くてもここに居るとあなたは決めた。
「なぜですか、危険だ」
「大丈夫です。何か手がかりになるかもしれないし。いいですかディスター様」
「僕は構わないが。……ああ、なんだか気分が中断されたな。今日はゆっくり休んでくれ」
彼も衣服を直しながら、疑問をもった顔つきで踵を返していった。
公爵がいなくなるのを確認すると、ルドガーに見下ろされた。
二人きりだし、あんなことがあったのだから、抱きしめてくれたっていいのに。
だが彼はあなたが思うよりも、筋金入りの軍人だった。
「では私もここにいます」
「……いやいいです。自分の部屋で寝てください」
「出来ません。私のことはお構いなく」
それが番に対する態度なの?
あなたはむっとしたものの、もういいやと思い、扉の前で椅子を出して座るルドガーを好きにさせた。
彼のほうを見て横になり、あなたはまた眠ろうと努める。
でも、こんな感じで寝れるわけもない。
「ねえ、もういいから。もうちょっと椅子こっちにしなよ」
誘っても、彼は座ったまま不動であなたから目を離さない。
大型獣の彼は何日か寝ないでいられると以前言っていたが、こちらの心配は消えないのだ。
「ばか……おやすみの挨拶ぐらいしてよ」
文句を言いながら、あなたは目を閉じていった。