第25章 魔術師と護衛編
「きゃーーーーーっ」
全身が鳥肌に覆われ、叫び声を上げた。
すると女性はこちらを見て、さあっと消えてしまった。
同時に扉を蹴破るように入ってきたのは、部屋着をまとったルドガーだ。
「どうした!」
「今っ、人がっ、女の人が! 窓の外に!」
あなたが恐れおののいて指をさすと、ルドガーはすぐに窓へ向かい、カーテンも窓も開け放った。
夜の涼しい風が吹き込み、不気味に音がびゅううと入り込む。
腰が抜けたようにベッドに座りこむと、ルドガーは「誰もいない」と告げた。
公爵が後ろから入って来て、窓を不可解そうに見やっている。
そしてあなたに視線を移した。
「……女だと? どんな者だった」
「ええと……髪を上にまとめた、細身の感じの大人の女性、だったかも……」
そう伝えるが、全体が白く光っているような影で、服装は分からなかった。
公爵は首をひねったが、ルドガーも窓を閉めきって近づいてくる。
「ここは安全な部屋ですか」
「もちろんさ。侵入者を防ぐ結界は万全だし、ましてや幽霊なんて、いわくつきの屋敷ではないよ。……、君は魔術師だから、感受性が豊かなんじゃないか? 死霊術を嗜んだことは?」
「はい? いえ、ないですよ」
むしろ幽霊やホラーは苦手なのだと今分かった。