第25章 魔術師と護衛編
1日目は夕食を3人で頂いた。
上機嫌に社交について話す公爵と、もてなされる客人のあなた、少し離れて座る護衛のルドガー。
滞りなく終えたが、問題は寝る時だった。
公爵は二階の自室に行き、あなたとルドガーはそれぞれ三階の客室をあてがわれた。
あなたは綺麗にベッドメイクされた部屋で就寝の準備をし、ロングワンピースの寝間着をまとった。
ベッドに入り、ルドガーのことを考える。
仕事とはいえ、まったく会話らしい会話をしていない。
なんて味気なく、寂しいのだろう。
これなら違う騎士でも変わらないんじゃないかと自分勝手に思ってしまったが、そうではないと思い返す。
ルドガーがそばにいてくれるから、これだけ公爵に集中できるのだ。
自分らしく、落ち着いて向き合うことが出来ていると感じた。
——でも、寂しいな。一人で寝るなんて。
そう頭の中で思いを巡らせながら、眠りに落ちた。
数時間後、夜も更けた頃。部屋の外から音がした。
「——何か御用ですか、公爵様」
「……え? 君、なんでまだ起きているんだ。こんな時間だぞ」
「私の職務ですから」
「いや寝ろよ、そこにずっと立っていたのか? 真面目すぎだろうっ」
二人の声にあなたは目をこすり、むくりと起きる。
扉の下の隙間から、明かりが漏れていた。
「もうすぐ夢の内容を思い出せそうなんだよ。彼女と少し二人で過ごしたい」
「魔術師は睡眠と回復が必要です。どうか明日になさってください」
「今がいいんだって! 邪魔しないでくれ!」
押し問答をしており、あなたは廊下に出ようと立ち上がる。
しかし、その時だった。
反対側の庭園に面した窓に、人影が写る。
あなたはおかしいと思い、ゆっくりそこに向かって、カーテンを開いた。
すると、三階のはずなのに、自分と目線が同じ高さの、女性の白い影が浮かんだのだ。