第25章 魔術師と護衛編
夜、あなた達の部屋にミザロが訪れた。
緊急の用だと言われ驚く。
ちょうど夕食後でルドガーは風呂上がりにタオル1枚で登場した。
「お前、そんなところで何をしている」
「あなた方二人に任務要請です」
黒ローブではなく、シャツとジャケットの珍しい佇まいのミザロは、食卓前に座り告げた。
あなたは目を丸くし、お茶を出して話を聞く。
ルドガーも服を着て彼の正面に座った。
「師匠、それってもしかして、私達二人が同じ任務に向かうんですか?」
「ええ。そうですよさん。本当はこれはあなたの任務で、騎士とペアにする予定だったんですがね。泊まりで数日間になります」
その時、ルドガーの表情が険しくなる。
ミザロも彼を平然と見やった。
「分かっていますよ、あなたの彼女への偏執的な愛情は。だから私が前もって、騎士ではなく護衛はあなたにと言っているのでしょう、ルドガー」
「ふん。分かればいい。騎士と泊まりだと? ふざけるな」
想定のことにもう切れてしまっているルドガーだが、あなたは正直ほっとした。
魔術師団に入って初任務で、見知らぬ騎士と泊りがけはさすがに緊張しすぎる。
「ほんとにルドガーと一緒でいいんですか? ああ嬉しい」
師に感謝し、隣の彼にも笑いかけると、彼はわずかに目を見開いたあと、柔らかな表情に変わった。
だが、肝心の任務内容を聞くと、二人の顔がだんだんと真剣になってくる。
今回は依頼主がいて、身分の高い貴族らしい。彼は使用人と山奥の邸宅に暮らしている。
彼が望むのは、思い出せない大事な記憶を、催眠魔法で見つけてほしいということだった。
かなり私的な内容だが、これまで何人かの魔術師に依頼をしても、成功しなかったのだという。
「なるほど、それを私に……。うまくいきますかね? なんか難しそう……」
「難しいですよ。あなたより格上の術者達が軒並み失敗していますから。でもこの人物が、なかなかの曲者のようでして。新しい突破口として、さんを起用したいのです」
まるで斬新な感じで言われるけれど、大丈夫なのだろうか。
でも、ゲインにも術は一応かけられたし、今回は相手方が催眠をかけてほしいと言ってるため、状況的な難易度はクリアできそうだ。