第24章 入団編
「そういえばさん。守護者からの連絡はまだないんですか」
「ええ。それどころか、ルドガーとの森での休暇以来、途絶えてしまって。……デシエさんを捕らえたことで、やっぱり怒ってるんですかね…?」
せっかくあの休暇でのやり取りや、ハンカチを贈られたことなどで、守護者と距離が縮まったと思っていたのだが。
彼女の側近を結構きつめに捕縛したことが引っかかっていた。
だが、ミザロに平然と「あのぐらい魔術師同士なら普通ですよ。むしろ優しいほうです。痛めつけてないでしょう」とか言われたので記憶を失ったのかと心配した。
「あの、師匠。この話題、しちゃいけなそうなのは分かってるんですけど……ゼイラン様とジュリスさんが話してた、公爵の一人って……師匠も誰なのか分かります?」
小声で正面に身を寄せて問うと、ミザロは珍しく黙った。
「…………可能性の話であれば、低いと思いますよ。ですが、もしそうなのであれば……」
中性的な美しい顔立ちのミザロが、物憂げに顎に指をあてる。
そうして深い青の瞳が、あなたをじっと見つめた。
「私達は、間違ったことをしてるのかもしれませんね」
「ど、どういう意味ですか」
「考えても無駄な話ですよ、さん」
もったいぶった話をされると、あなたも段々落ち着かなくなってくる。
「それだけヤバい人ってことですか」
「はい。もう聞かないでください」
「わかりました……」
「あなたはただ待っていればいいのです。だって、信じているのでしょう? 守護者のことを」
彼に核心を問われて、決意をこめて、まっすぐに頷く。
「あなたがどこから来たのかも、もうすぐ分かるんでしょうかね」
そう呟いた師に、今度ははっきりと答えられなかった。
あなたにはルドガーの顔が、浮かんでいたからだ。