第24章 入団編
今日は一人でルラ・パルセ魔術師団に来ている。
あなたは魔術師長であるミザロの執務室にいた。
ローブ姿の師はいつもと同じく紅茶のカップを手にし、落ち着いていた。
「——というわけなんです、師匠。ルドガーのおかげでゲインさんに催眠術はかけられましたが、秘密といっていいのか分からないんです。これは彼の心に大切に存在する、家族への想いなんですよ」
あなたは与えられたテストの内容を報告しながら、自分の見解を語った。
肩ほどまでの黒髪をわずかに揺らし、ミザロは頷く。
「そうですね。心温まる話ですが、暴かれた秘密というには、あまりに弱いです」
「まあ……はい」
「ではテストの結果は不合格ということで、よろしいですか。さん」
「はい。大丈夫です」
そこはあなたも素直に頷いた。
結果が云々というよりも、このことをわざわざゲインに明らかにする必要はないと思ったのだ。
「それは彼に恥をかかせたくないからですか?」
「恥だなんて思ってないですよ。…でも、ゲインさん少し恥ずかしがるかもしれないですね」
ふふ、と朗らかに笑う。
結界師の彼は真剣勝負だと言ってくれたけれど、当然だが自分の実力は到底敵うものではない。
秘密としては弱いという師の言葉からも、今回の件は率直に基準に足りていないと感じていた。
「わかりました。……ふふ。私はあなたの術に対する考え方が、とても興味深いんですよね。…術というよりも、あなたは被験者のことまで考えているでしょう」
「そうですよ。普通違うんですか?」
「ええ。私は被験者がどうなろうがどうでもいいですから。結果がすべてなので」
まったく取り繕わないミザロが恐ろしく感じたが、そこは自分とは意見が異なる。
新人で偉そうなことは言えなくとも、きっとこれからもあなたのポリシーは変わらないだろう。