第24章 入団編
「あなたのおかげで、うまくいったんだ。ゲインさんに催眠かけれたよ。でも、秘密っていうより、ミーシャちゃんのことすごく大事なんだなぁってことがよく分かってさ」
しみじみと内容を伝えると、彼も安心し、納得した様子だった。
「もう帰ったみたいだから、きっとお家で二人一緒にいるだろうね」
「そうだな……あの黒猫も喜んでいるだろう。俺にはその気持ちが分かる」
瞳を細め、ルドガーはあなたの額に唇を寄せた。
熱い体温に触れて、体もふんわり温かくなる。
それから彼はあなたのことを抱きしめた。
抱き枕のようにしまいこんだかと思うと、なぜか上体を少し屈め、あなたの胸に横顔をこすりつけてきた。
「ちょっ、ちょっと…? どうしたのよ、くすぐったいよぉ」
「気持ちがいい……」
「はぁっ?」
びくっとのけぞってしまうが、黒い角を避けて彼の頭を抱えてあげる。
なんだかそんな風にしていると、この大男がもっと可愛く思えてきた。
「ふふっ。ルドガーは、酔っぱらっちゃったら、甘えてくるんだねえ」
「……甘えてない。俺はオスだ」
「はいはい。オスだっていいでしょう甘えても。好きな人には」
あなたが上から主張をすると、彼は黙る。素直に納得したようである。
胸のあたりに彼の頭があるのは変な感じがした。
いつもは背が高すぎる彼の胸下に、自分の顔がうずまるからだ。
「あ~これいい~。ルドガーより背が高くなった気分」
上機嫌に言うと、寝ているはずの彼が顔を上げて、じいっと見てきた。
眉間にしわを寄せている。
「どういう意味だ……。俺を見下ろしたいのか」
男らしさにこだわる獣の彼の地雷を踏んだかと焦るものの、あなたは微笑んだ。
「違うってば。だって可愛いんだもん。あなただって、私が下からいつも見上げてるの、どうせかわいいとか思ってるんでしょう?」
「もちろん思ってるぞ。……でも、お前は上からでも可愛いな」
ふっと柔らかい瞳になり、あなたは照れて静かになった。
「……もう寝なよ、ルドガー。こうやって抱いててあげるからね」
「ああ……それもいいな。こうすると、落ち着く。俺の特等席だな」
まだ酔っているのか、今夜は饒舌なルドガーの頭を、あなたは優しくずっと撫でてあげていた。