第24章 入団編
「どうしよう、ルドガーがっ!!」
「落ち着け。⋯⋯寝てるだけだ。ははっ、飲みすぎたな。当然だろ、見てみろよこの度数。90℃だぜ」
ゲインが平然と酒瓶のラベルを見せてきた。
普通の酒だと思っていたあなたはショックのあまり、ふらふらとルドガーに抱きつき揺さぶる。
「起きて、起きてぇっ、死なないでぇっ」
「いや大丈夫だって。こんぐらいで殺れるんなら皆これで狙うぞ」
ゲインはすっかり普通の様子であぐらをかき、煙草に火をつけて一服している。
確かにルドガーは静かに寝息を立てており、心配ないようだ。
強い酒を用意し、身を挺して戦ってくれたルドガーに、あなたは感謝の念で祈った。
そして行き場のない感情が、だらんと床に座りソファに両腕をかけてくつろぐ中年に向かった。
「くっ⋯⋯ルドガーがこんなになっちゃってるのに、あなたはなんともないんですか⋯」
「まあな。一応酔い止めの防護張っといたから」
「なんですかそれ! 卑怯ですよ!」
「オイオイ。こんなの普通だろ。ちなみに俺は全身耐性盛り盛りだからな。舐めんなよ。あんたはともかく、この獣相手に油断なんかするか」
豹変したように煙草をフカし、にやりと髭面の男が笑った。
あなたも無理やり微笑みを浮かべる。
「なーんだ。やっぱりそうですよねぇ。負けを認めます。敵うわけないもん、こんな全身結界マニアに」
「そうそう。俺はあんたら二人とも気に入ってるけどな、勝負となりゃ別の話だ。新人だからってもうルラ・パルセの魔術師なんだからよ」
あなたは立ち上がり、ゲインの前に困ったように佇む。
「分かりました先輩〜。でもひとつだけ最後にいいですか? ルドガー、重すぎて私一人じゃ持てないです。ベッドに運んでくれませんかね⋯?」
弱々しい表情で手を合わせて頼み込むと、ゲインは温かな笑みを見せ、うなづいてくれた。
そして立ち上がるとき、ふらっと横によろける。