第24章 入団編
「だからな、自分の弱さをカバーするように、奴らは頭を使う。ずるい手も容赦なく使う。セロを見てみろ、あいつが生き残ってきたのはずる賢いからだ」
面白い話にあなたはくすくすと笑った。
「だがお前はそうはならないと思う。俺の知ってる魔術師像じゃないんだ、は。遥か格上のゲインの心配をするようなやつだぞ? そんなに優しい奴がいるか」
「もうっわかったってばっ」
ルドガーにからかわれてあなたは赤くなった。
でも二人は笑いだす、気づけば心が温まって。
「わかったよ。とにかく、考えずにやれってことだね。ゼイラン様の教えみたいだね」
「その通りだ。一番大事なのは本能だからな。俺が学んできたことをお前にも伝授してやろう」
「ええ~やだ~。そしたら私、とんでもない魔術師になりそう」
冗談にしていたが本当にそう思うので若干怖い。
そうやってルドガーと話していたら、気持ちも軽くなってきた。
やっぱり彼はすごいなぁと思う。尊敬できるのはもちろんだが、いつも互いの目線になって寄り添ってくれるのだ。
胸にぴたりとくっついていると、こんなことを言われた。
「じゃあ腹は決まったな。ゲインのことなら任せろ。俺に考えがある」
「えっ? どんなの?」
ルドガーは昼のあなたのように、怪しげな笑みを浮かべた。
「でもルドガー。いつもあなたに助けてもらってるし。ずっと頼ってたらダメじゃないかな。チートだよねそれ」
「ミザロに言われたばかりだろ、使えるものは使えと。それにお前は、俺の使い手だと言われたんだろ?」
そういえばさっきそんなことも話したが、彼のプライド的に大丈夫なのだろうか。
「お前になら使われてもいい。俺はお前のことしか助けない。だからその日は……楽しみにしておけ」
やけにやる気を出して口元を吊り上げた様子は、いつも本能的な彼にしてはめずらしく、企みをする姿だった。