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巨体の人外に助けられて世話される話

第24章 入団編


「すみません、ゲインさん。よろしいでしょうか」
「なんだよ」
「——あの、あなたがさんですか? あのゼイラン様の使役獣の使い手の!」
「……はっ?」

言ってる意味が分からず、興奮気味の青年を見返す。

「いや、違います。それルドガーのことですよね? 私は彼の番なんです!」

必死に説明するも、青年もゲインも首をかしげている。
獣との関係性のことを言っても理解されなかった。

「とにかく、あなたはすごい方だ! ご活躍を楽しみにしています!」
「え、ちょっ」

一人で納得して青年は帰っていき、あなたは伸ばした手の行き場がなくなった。

団員達は持ち帰った話に盛り上がり、ゲインはけらけらと笑っている。

「ど……どうすればいいんですか。私、全然すごくないし新人なのに。今更ですけど、場違いですよね……」
「そんなことねえよ。ちなみにあいつらは、俺らの下の奴らだからな? 普段一緒に仕事することはない」

彼は煙草を吹かしながら集団を見つめる。
ゲインが上の立場そうなのは分かるが、あなたは余計に混乱した。

なんでも魔術師団の精鋭は五十名以上いるらしく、彼らは任務や戦場に駆り出される、いわば何でもこなすオールラウンダーの魔術師なのだそうだ。

そして、その上にいるのが七名の専門的な魔術師たちだ。特定の分野に秀でた彼らは、精鋭たちより実力も格も上で、立場もさらに高いらしい。

「嬢ちゃんと、あの新しい獣と人間の二人組入れて、十人になったな。ははは、大所帯だぜ! 俺はほとんど顔は出さねーけど。ま、頑張れよ」

彼は呑気に微笑みかけ、真顔のあなたは返事が出来なかった。

そしてそれぞれの研究室があるという二階へと向かう。

木彫りの格式高い内装を血の気の薄い顔で進んでいくと、突き当りの壁の前にとんでもないものを発見した。

「きゃっ、きゃああッ」

真っ黒い光沢のある筋肉質な肌の男が、頭に角を生やして立っている。
瞳は金色で、まるで絵本の中にいる悪魔のようだった。
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