• テキストサイズ

巨体の人外に助けられて世話される話

第24章 入団編


今日は初めて都市部にあるルラ・パルセ魔術師団本部を訪れる。
馬車の迎えが来て、あなたは一人で乗り込んだ。

窓から街並みを見ていると、ドキドキする。
完全に単独で見知らぬ場所へ向かい、人々と会うのは初めてだからだ。

三十分ほどの道のりで、周りにも建物が多い一帯に到着した。
横に広いレンガ造りの洋館で、魔術師塔のように薄暗い雰囲気ではない。

「わあ……ここが魔術師団……。美術館みたいに綺麗だなぁ」

口を開けて見上げていると、馬車が去り、あなたを迎えに来た男がいた。
革ジャケットを着た三十代後半の、知っている人だ。

長めの茶髪に無精ひげ、含みのある笑みを浮かべていたが、あなたは「あっ」と笑顔になる。

「ゲインさんじゃないですか! お久しぶりです~」
「よお嬢ちゃん。まさかあんたがここまでやって来るとはな。ほんとに魔術師になっちまったのか」

彼は相変わらず煙草を吸っていて、豪快に煙を吐き出した。

「ぶふぅっ。ちょっと、ここも禁煙じゃないんですか?」
「いいんだよ俺は、特別待遇だから。あんたみたいにな」

にやっと笑いかけ、今日はあなたの案内役の彼は、一緒に建物内へと入っていった。

ゲインは結界師で、騎士団の防護結界を管理したりと、いつも忙しいベテラン魔術師だ。

わざわざ新人の自分のために今日はここへ寄ってくれたようで、あなたはお礼を言った。

「気にすんな。俺もどんなもんかと興味あったしな。……ほら見てみろよ、あいつらもこっちを見てるぜ」

エントランスホールの向こうに、深い青のローブの集団がいた。
彼らは全員男で、十代から三十前後の若者たちのようだ。

あなたのことを興味津々にちらちらと伺っていた。

「あの……皆さん団員の方ですよね。女性はどこにいるんですか?」
「女? そんなのあんた以外いないよ。ここは騎士団と連携する魔術師団なんだから」
「え!? じゃあ私入っちゃだめでしょう! ていうか女に見えてますよね私?」
「おう。そのど派手なピンクのローブも紅一点って感じだな」

服装までからかわれ、あなたは頬を染めたが、団員たちを見ると汗が出てくる。

しかしなんと、彼らのうちの一人が、こちらに向かって来た。
背の高いしっかりした感じの青年だ。
/ 403ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp