第23章 真相編
「それで? 俺と使役獣の話はどうだった。満足したか。……お前、どこから施設の話を嗅ぎつけた。当時の俺の行いを知るのは、俺が親しくしていた貴族だけのはずなんだがな」
話を元に戻し、うかがうような目つきをする。
あの保護施設は、紹介でしか猛獣を入手できないようになっていた。
デシエは質問には答えず、ゼイランを悔しさがにじむ表情で睨み返している。
ゼイランはそのままセロを見やる。平凡な魔術師だが、さっきの話に胸を打たれたようで目が腫れていた。
「お前はいったい何なんだ。この場でも異様な異物感だな」
「あっ⋯すみません。俺のことは気にせず。ただ感動しただけなんで」
「……おい。お前はさっき守護者を公爵の一人だと言ったな」
「ま、まあそうっすけど」
そこにはなぜか触れてほしくなさそうに、セロは挙動不審になった。
「俺の家も含めて、魔王に謁見できるほどの力のある公爵家は、五つしかない。俺は彼らと親しいが、その中にいるのか」
ゼイランの一族は軍人一家であるが、長年懇意にしている公爵家も同じく軍人を輩出したり、医学や芸術に秀でた家だったりと、歴史的にも血筋的にも突出した名門だ。
「それに、お前のような人間からしたら、悪魔族も化け物だよな?」
脅すように、口元を吊り上げてゼイランはセロを見つめる。
「ヒッ……あの……それはそうなんですが……上には上がいるもんで……」
恐ろしさのあまり口走ったセロの脇腹を、ナザルが小突いた。
その一部始終を皆は目撃した。
黙っていた騎士ジュリスは、焦りを浮かべて上官を見た。
「ゼイラン様。まさか……」
「いや、黙れ。そんなはずはない」
部下の言葉を一蹴し、彼は考え込んでしまった。
その時間があまりに長く、じっと見ていたあなたにも不安が募る。
守護者の正体が、謎に包まれたまま、おかしなところにいっているのではないかと。