第2章 訪問客編
「それとな、もうひとつ大事なことをお前に伝えよう。俺には部隊を指揮する隊長として、ゼイラン様に報告の義務がある。皆に口止めはしたし、ああ見えて規律は取れているから外には漏れないだろうが。次の会議までに伝えなければならない。どうする? 自分で言うか?」
突如核心に迫られ、あなたは鼓動がうるさくなった。
隊長の話はもっともだ。
ルドガーが自分を拾ったばっかりに、やはり大変な事態になっている。
「ど、どうしよう。言ったらどうなるの?」
隊長に対してすぐに答えなかったルドガーに、あなたは問いかけた。
すると彼は険しい顔のまま、重苦しい口を開いた。
「この事が分かったら、お前を取り上げられるかもしれない」
「え⋯⋯? うそでしょ⋯⋯?」
あなたは絶望の面持ちで取り乱す。
またたく間に強烈な不安感が襲ってきた。
「嫌だよ、離れたくない!」
思わず口から出てしまった言葉に、ルドガーは目を見開いた。
あなたは心細さが爆発した表情で彼の腕に掴まり、ぎゅっと握る。
いつの間にか彼のそばが、一番落ち着ける場所になっていた。
「お、落ち着け。。お前を離すものか」
「本当に⋯?」
「ああ。本当だ。何に代えてもお前だけは俺が守る」
抱きしめられて腕の中に収まる。
隊長も共感をこめた様子で二人を見守っていた。
やがてルドガーはあなたの背を抱きとめながら、視線を横に向けた。
「セヴァ。俺がゼイラン様に話をする。事情を話せばきっと分かってくれるはずだ。俺が二十年世話になった、親のような存在なのだから」
「そうだな。俺もそう願うよ。お前が本気で説得すれば、きっと上手くいくさ。謁見の際は、二人と一緒に行こう。口添えができるはずだ」
軍人の彼はルドガーの師としても、良き友人としても協力を惜しまず、成功を祈ってくれていた。