第23章 真相編
あの獣たちを思うと不憫としか言えないが、ここからは自分の関与することではない。
「あいつらもきちんとした里親に行き渡るんだろうな?」
「ええ。大半は。ご心配なく」
そう言って仕事が済んだ男達は立ち上がった。
手を差し出され、ゼイランは仕事上の握手を交わした。
「また機会があれば、よろしくお願いします」
「おいおい、正気かよ。トラブルを起こした顧客にまた営業かけるとはな」
「あなたは信頼のおける公爵ですから。……彼は元気でしょうか。様子を見ても?」
影のある薄気味悪い赤い瞳が、じっと見据えてくる。
ゼイランは眉間を寄せ、首を振って拒否した。
「やめてくれ。お前達に会わせたくない。俺たちのことは放っておいてくれ」
ルドガーの世話は自分が責任を持ってする。そう伝えた。
それに、ゼイランはわざわざ本当のことを、ルドガーに言う必要はないと考えていた。
もう自分のことを十分に慕っているのだから。
彼らが帰り、ようやく問題がひと段落つく。
ゼイランは庭を駆けまわっている獣を見に行く前に、ある場所へ向かった。
屋敷の一階の隅にある、真っ白で静かな部屋だ。
ひんやりとした石床に座り、ひとり前を見つめ過ごす。
そうして彼は心を落ち着かせたあと、扉からそっと出た。
すると、足元にやや大きくなった青毛の幼獣がいた。
「うわっ。なんだお前、どうした」
「ゼイランさまの匂いを辿ったんだ。どこにいたんだ?」
「……いや、仕事さ」
遥か高所から見下ろしたまま、ゼイランはルドガーに声をかける。
「この部屋には入るなよ。俺の大事な場所だ」
「……大事な、場所?」
「そうだ」
多くは語らず、ゼイランはきちんと扉をしめてルドガーを引き連れていった。
頭の中は、まだ少し整理が必要だった。