第23章 真相編
それから数日、まだ本格的な訓練は開始していないが、ルドガーは屋敷の匂いや周辺の自然を覚え始めていた。
空き時間にルドガーに付き合っていたゼイランに、ある日客が訪れる。
書斎室に通されたのは、銀の刺繍が入った黒いローブ姿の男三人だ。
リーダー格の真ん中はひときわ体格がよく、金髪のオールバックに透けるような肌をし、いかつい精悍な顔立ちの男だった。
彼はあの施設の管理者で、硬い表情を崩さないでいる。
「ゼイラン公爵殿。あなたが我々のひとつの施設を壊滅させたことは分かっています。こちらが損害賠償を請求する書類です。ご確認を」
対面の席から男に紙を渡され、仏頂面で眺める。
このことは個人的なやり取りのため、弁護士すらつけていなかった。
「わかったよ。金は払う。……だがな、おたくの育成方法はおかしいんじゃないか? 聞いていた話と違ったぞ。行き過ぎた訓練をしていたらしいな」
ゼイランが厳しく問うと、リーダーの男は彼の目を見返す。
「我々の指導は妥当です。ですが、管理においては厳重に確認を重ね、是正します。——そしてこれが、逃げ出した猛獣たちの被害額です。こちらも支払いをお願いします」
「あぁ? またか? …ったく……猛獣にはどうせ追跡魔法つけてたんだろ? 全部捕らえたんじゃないのか」
詰問すると、男は頷いた。
腑に落ちなかったが、仕方なくゼイランは署名をし、小切手も切って渡した。